備前焼とは

やきものの原点:土が焼かれることによって表れる様々な色合いと質感の魅力

備前焼はもともと須恵器の伝統を受け継いだものであり、岡山県備前市伊部を中心に焼き継がれてきたやきものです。
日本には鎌倉時代から、六つの主要な窯地が存在します。備前は1000年以上炎を絶やすことなく製造し続けている古代窯地の一つです。多くの窯の中心地は、桃山時代末期にはその活動力を失ってしまいました。備前焼は江戸期には細工物などへ移行しつつ、器としての役割と置物としての役割を担い進化して参りました。古来茶人や大衆に愛された備前焼が、古い伝統をいまに受け継いで今日まで残り続けてきたのは、土そのままを(無釉の)焼き締めた土味の魅力であり、自然窯変の不思議な美しさがあるからです。

備前焼の陶土は主に田んぼから掘り起こされる田土(細かい土味)と山から掘り起こされる山土(ざっくりした感じの土味)からなり、その鉄分に富んだ陶土によって、独特な深い色合いを生みます。そうして形作られたものは、登り窯、あるいは穴窯に入れられ、松割木を主な燃料としおよそ1週間前後焚かれます。または数日間焚かれ、何回と窯につめられ重ね焼きをされます。備前には主に四つの景色:胡麻、緋(火)襷、サンギリ、灰かぶりがあります。全てを総称して窯変と呼びます。
焼けは窯の中で変わるという意味からです。二つとして同じ景色のものはございません。(灰かぶりや、青グレーに発色した中に、赤や黄のボタの景色が出ているものを窯変と呼ぶこともございます。)

胡麻とは、窯の中で割木(薪)の灰をかぶり、付着するものです。それが溶けて自然釉となり景色をつくります。黄色い胡麻ペーストのように見えることからこう呼ばれています。胡麻でも黄色や緑色、カセ胡麻や糸胡麻といろいろ種類(呼び名)がございます。

緋(火)襷とは、本来器同士の溶着を防ぐ為に藁を巻いて焼くことによって出た景色であり、藁のアルカリ分が土の鉄分に反応し赤く発色し、まるで炎のような紋様を残します。緋襷は軽視されがちですが、一番と言ってよいほど、焼成が難しいと多くの作家さんが言われます。登り窯・穴窯・電気窯とそれぞれの窯、それぞれの土、それぞれの焼成の特徴が色として出ます。また良質な土味をもっとも感じることが出来る焼けの一つと言えます。

サンギリとは、器の一部が灰に埋もれて還元状態になりグレーに発色したものをいいます。なかなかそう取れる景色ではございません。炭等を入れ、意図的に発色させる方もおります。自然に作品の良い個所に出たサンギリは貴重と言えます。

灰かぶりとは、器に大量の灰を被り、まるで溶岩のごとく冷えて固まったもので、薪で焚くやきものの醍醐味と言える景色です。

上記にもございますが、総称して使われる表現としまして「窯変」という言葉がございます。窯の中で炎や灰が様々な景色を創ることを意味しております。いろいろな色合いや、焼け肌はある程度作家さんも窯の場所や経験等で推測して行う事が出来ますが、100%出来るものではございません。ここに炎だけがなしえる未知の領域が存在し、人々の心を魅了する一つだけの作品が生まれるのです。

備前焼の魅力をスライドショー写真で見る “PLANET POTTERY

伊部または伊部手と備前の区別 備前市伊部のやきものという意味での伊部焼と、鉄分の多い土を器に塗って焚いたもの(=塗り土:焼成後黒く発色することが多い)という意味での伊部焼と二通りの解釈がございます。後者の意味で伊部とされている作家さん達は、器と同じ塗り土をしたものを備前とされます。一概に黒いやきものを伊部と判断される場合がございますが、色合い的なものよりも、造形的な意味で伊部とされることが多いです。耳の付いた耳盃や文字が彫られているもの、青銅器や祭器の影響を受けているようなものの場合です。

備前焼の主な長所は、水との相性が良く、水を浄化する作用があると言われております。お花もガラスの花瓶より長く活けることが出来ます。侘びた雰囲気が一層花を美しくひきたててくれます。また外見的にも水で濡らしますと、備前焼本来の美しい色合いが現れ、乾いた状態より何倍も美しい姿になります。釉薬を被っていないため、こうしたハッキリとした色合いの変化を感じることが出来ます。またお使い頂く際には、水で濡らすことにより、油分や臭いを含ませにくくなります。お酒を飲む酒呑等は、見込みの中に灰を被って一見汚く見える作品ほど、お酒を入れますとくすんでいた色合いの部分が鮮やかになり、中の景色がピカピカときれいに浮いて見えます。多くのお客様は備前でお酒を飲むと美味しくなると言われます。やきものに共通して言えることですが、使い込めば使い込むほどしっとりとしてきます。何年もかかりますが、是非たくさんお使い頂き、器を育てて頂きたく願ってます。

ご使用の際は
備前焼の器(特に油ものをのせるお皿等)はお使い頂く上で少し注意して頂く必要がございます。 土味や焼けにもよりますが、一般的に全て焼き締め(釉薬を被っていない)の器はお使い頂く前に、お水に浸して下さい。 特に初めてお使いになる場合や、油分の多いものを盛る際は必ず行って下さい。 ザックリした土味や焼けの甘めの作品は特に注意です。 お水で濡らすことにより、油分や臭いを防ぎます。 また見た目も色が一層鮮やかになり美しく見えます。 (それ以前の段階で、器を煮沸するべき等いろいろ言われておりますが、当店では特に煮沸することは推奨しておりません。) 器に抵抗力がある程度ついてきましたら、そんなに神経質になる必要はございません。 使い終わりましたら、出来るだけ早めに洗って下さい。 油ものの際は洗剤をお使い下さい。 よく洗い、よく乾かして下さい 出来るだけ空気にあてて下さい。 完全に乾きましたら、食器棚へ収納して下さい。 よく乾かさないで収納されますとカビが生えることもございます。 電子レンジはなるべく使用を避けて下さい。 大丈夫と言われる方もおりますが、何が起こるかわかりませんし、お勧めはしておりません。


窯焚き
お二人の作家(高原卓史さん、高力芳照さん)にご協力頂き、簡単ではございますが見て行きましょう。

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ところで、火を入れる前にどのように窯に作品を詰める(窯詰)のかを見てみましょう。きれいに無駄無く 詰まってますね。この作品の置き方によって、炎の流れが変わってしまい、影響が大きいようです。
大きなものが上の方にあることや、作品が手前にころがしてあること等がわかりますね。白くなっているところは高原さんの秘密です。窯詰めの場所によって”焼け”にちがいが 出る事がわかりますね。後に、作品がどこに置かれ、どのような向きから炎を受けたのか、どのようにして灰が被ったのか等を推測することができます。

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1200度以上の窯の中。全体に熱が行き渡っていることがわかりますね。「土と炎によってのみ創られる備前焼」のまさにその”炎”です。割木が燃え、やがて灰となって降り積もり、それらが独特な景色を生みます。還元焼成や酸化焼成をして、作家が理想とする好みの焼き具合に仕上げます。どの辺りでゴマが流れ出し、どの辺りで窯焚きを終えるかが、一番のポイントとなります。

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およそ1週間から2週間の窯焚きが終わりますと、窯の口を閉じ、またゆっくりと時間をかけて窯を冷まします。

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直径10cm長さ1mの割木1本が5本セットになって1束のものを10日間でおよそ1000束も使用します。

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備前では年1回または2回ほど窯を焚かれる作家さんが多いです。多く窯詰めされた作品の中より、展覧会へ出品される作品はごく一部となります。選び抜かれた作品は手入れをされ、皆様に見て頂くこととなります。
焼締陶は品格が求められます。ダイナミックな焼けだけではなく、造形のセンス、バランス、細かい処理、どれを欠いても成り立ちません。私たちのサイトでは、そうした作品を紹介させて頂いております。専門店の品質”AOYAMA QUALITY”を感じて頂けますよう努めております。


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